LGBTQと病院
同性婚訴訟関連で、最近たまに話題になっている病院でのLGBTQ対応について。
ブログやSNSでいくつか気になることがあったので、書いておきます。
よく見かけるのは、
パートナーが病室に入れない。
病状が聞けない。
治療や生命維持の決定や判断ができない。
という意見に対して、
そんなことないんじゃない?
大袈裟だ。
パートナー証明や公正文書など、事前に準備や対策をしていないのが悪い。
と、LGBTQ内でも意見が対立する図。
もちろんケースバイケースだとは思うけど。
これまで勤めていた病院や、いまの病院での過去の事例をふまえながら、シュミレーションしてみました。
まず大前提として、
病院は個人間の厄介ごとを避けたい。
まあ、医療訴訟も多い世の中ですから、よりトラブルが少ない安全な選択肢に日和ます。
残念ながら。
① パートナーが病室に入れない
パートナーが意思表示できない状態で、相手の家族が面会を拒否したら、ブロックされる可能性大です。
過去に患者の恋人と名乗る人が家族から「本人にとって不利益だから、会わせないでくれ」と言われ、面会不可になった例がありました。
2人の関係性を説明できるパートナー証明や公正文書がなければ、家族の決定を覆すことはなかなか難しいと思います。
家族が拒否した場合、法的な効力がないパートナー証明がどこまで役に立つのか…
ちょっと気になるなぁ。
病状の説明に関しても、キーパーソンにならない限りは難しいかと。
昨今は病院も個人情報保護に神経質になっているので、うちの病院では家族以外が面会に来た場合、患者の部屋番号を知らない人は中に入れないようになっています。スタッフも聞かれても教えないようマニュアル化されてます。
つまり、本人が部屋番号を伝えられない場合、家人から教えてもらえなければ、病室に入れないということ。そりゃ中には面会フリーパスなゆるい病院もあるだろうけどね。
② 治療や生命維持の決定や判断ができない。
本人の意思の確認ができない場合、通常は家人が生命維持の判断をします。
パートナーと家人で意見が割れた場合…
前述のように2人の関係性を証明するものが無ければ、病院は家人の決定を優先するでしょう。
パートナー証明書などがあった場合、病院は巻き込まれたくないので、「身内でよく話し合ってください」と一抜けします。
そうなるとパートナーの意見を通すのは現実的にはかなり厳しいのではないかと思います。
こうやって考えていくと…
病院でのトラブルに関しては、相手側の家族と良好な関係でない場合は、事前に本人の意思を残す対策した方がよい。というのが結論かな。
これが『配偶者』となれば、何も心配することないのにね。