お砂糖ひとさじ

同性カップルの妊活の記録

お守りの妊娠検査薬

 

ドキドキな判定待ちの間、落ち着かない奥さんがささいな身体の変化をいちいち報告してくるので、その度に私の脳内ではシンゴジラの曲が鳴り響き、未知の生命体に対する作戦会議が招集されるので疲れるなんてもんじゃない。

 

おかげさまで発熱に超過敏なこのご時世に知恵熱を出して、あやうく出勤停止になるとこだった。

 

やれ下腹が張るやら、差し込む痛みがあるやら、ちょっと出血したやら、もう大騒ぎ…

 

挙げ句の果てに「やっぱり便秘のせいかも…」とか言い出して、おいおい私の受精卵とウ◯コの区別もつかないのかよ!!

もうツッコミ入れる気力も無いわ。

 

万が一 奇跡的に妊娠したとしても、これを十月十日やられると思ったら気が狂いそう。

 

妊娠検査薬も案の定フライングしたがる。

 

ドラッグストアで買えない感度の高いヤツを近所の薬局に買いに行ったので、帰宅したらすぐにトイレ直行だろうと思っていたら、未開封のままテーブルの上にいつまでも置いてあるので「使わないの??」と聞いてみた。

 

すると、奥さんが薬局で薬剤師のおばさんに体外受精の判定であることを伝えたら、「うちの嫁も5年も不妊治療をしていて、何度も流産して大変だったけど、仕事しながら体外受精して、ようやく子どもを授かることができたの。旦那もずっと支えて2人ともよく頑張ったと思う。人生なんでもやらないよりやった方がいいから、あなたも頑張ってね。」と優しい言葉をかけてもらったとのこと。

 

だからこれはお守りに持っているの、とニコニコしてる奥さん。

 

そんな素敵な出会いがあったのね。

 

人生やらないよりやった方がいい。

本当にその通り。